――まずは、本渡さんが演じる小鳥遊ひかりの第一印象からお聞かせいただけますか？

本渡楓(小鳥遊ひかり役)

オーディションは、ひかりと（町）京子ちゃん、あと（日下部）雪ちゃんの３人を受けたんですけど、わたしがこれまで演じさせていただいたキャラクターはどれも、元気というよりは優しくてふんわりした雰囲気の子が多くて。なので「オーディションに受かったよ」と聞いたときに、まず最初に思ったのは「きっと、“マッチー”か“ユッキー”のどっちかだろうな」って。

――予想外のキャスティングだった（笑）。

本渡楓(小鳥遊ひかり役)

だから「ひかりってあの、耳みたいな髪型の、金髪のバンパイアの子ですよね!?」って聞いちゃいました（笑）。オーディションのときに原作を読ませていただいたんですけど、ひかりちゃんはすごく純粋な子なんですよ。自分の気持ちに素直で、自分にも相手にも絶対に嘘がつけない。まっすぐなんです。あと『亜人ちゃんは語りたい』自体が、ギャグが多い作品で――しかも日常のふとした表情で笑っちゃうようなタイプの作品なんですよね。こういうタイプの作品を今まであまりやったことがないのもあって、アフレコ前はいつも、すごい手汗をかいてます。

――緊張しちゃうわけですね（笑）。

本渡楓(小鳥遊ひかり役)

でもマイク前でしゃべっていると、ひかりちゃんの明るさに、知らないうちに引っ張られて、気がつくともう、ひかりちゃんとして立っているんですよ。不思議だなって思いますし、毎週、アフレコのたびに新しい自分を見つけている気がします。

――演じていくなかで、彼女のどんなところが魅力的だと感じましたか？

本渡楓(小鳥遊ひかり役)

初めて原作を読んだとき、「ひかりちゃんってきっと、悩みごととかないんだろうな」と思ったんです。それこそ同じクラスにいたら「あいつって、悩みがなさそうでいいよな」って言われてそうな立ち位置。でもこの作品自体、それぞれのキャラクターを深く掘り下げていく作品だということもあって、ひかりのまっすぐさゆえに起きる他人との衝突なんかも描かれるんです。ひかりは自分が「ダメだ」と思ったら、正面から「それはダメだと思う」って言いに行くんですよ。「それは違う」と思った気持ちを抑えていられない。そういう彼女の、まっすぐなところに周りの人たちも影響されていく。わたしにとっては「自分もこうありたいな」と思うようなキャラクターです。

――第１話では、ひかりと高橋先生の長い会話シーンがありますが、彼女にとって高橋先生はどんな存在なんでしょうか？

本渡楓(小鳥遊ひかり役)

最初は「お父さん的な存在なのかな」と思ったんですけど、ちょっと違うんですよね。むしろいとこのお兄ちゃん、みたいな距離感なのかな？　頼れる存在だとは思ってるんですけど、すごく尊敬してるというわけでもなくて。……とはいえ、もし万が一、高橋先生が他の学校に行くことになったら、きっとひかりはいじけちゃうだろうな、とも思う（笑）。すごく不思議な関係ですよね。

――では最後に、メッセージをお願いします。

本渡楓(小鳥遊ひかり役)

これを読んでいる方はきっと、もうすでに放送をご覧になっていると思うんですが、わたしはこの『亜人ちゃんは語りたい』という作品を、ただの日常モノでもただのギャグアニメでもない作品だと思っているんです。デュラハンのマッチーだったり、雪女のユッキーだったり、パッと見は不思議なキャラクターがたくさん出てくるんですけど、でもそこで語られている物語には、自分自身と置き換えてみてグッとくるメッセージ性が散りばめられていて。人の気持ちに寄り添った、そんな作品なので、ぜひ最終回まで観ていただければと思います。よろしくお願いします！